2024年はラウドロック、ヘヴィミュージックシーンにおいて重要な1年だったと感じています
コロナ禍でライブに規制をしなければならなかったことはこのシーンにおいては凄まじい逆風でしたし、その影響は規制がなくなった今でもまだまだ間違いなく残っていますし、ロックシーンのトレンドも数年で大きく変わってきました
そしてここ最近の国内の中堅バンドの活動休止や解散に加えて新しいバンドもなかなか出てこれない空気があるなどシーン全体の閉塞感が漂っていた中で、2024年は近年ではなかった未来への希望を感じることが多くありました
そんな2024年のラウドロック、ヘヴィミュージックシーンをあくまでわたしの観測範囲の中ですが記事として書き記していきたいと思います
若手フックアップの盛り上がり
やはり一番の希望を感じたのはシーンを代表するバンドたちが若いバンドたちをフックアップしていこうという動きの活発化にあります
coldrainの自身のツアーのオープニングアクトの公募やSiM主催のDEAD POP FESTiVALではオープニングアクトのオーディションが久々に復活、またツアーでも若手バンドのオープニングアクトの起用がありました
Crossfaithも多くの若手をツアーの対バンに起用し、そこにはシーンの壁を超えたJILUKAやDEXCOREのようなヴィジュアル系バンドの名前もありました
Paledusk、花冷え。に次ぐバンドがなかなか出てこない停滞あるいは衰退を感じられるシーンで、メジャーなバンドがまだ知られてない実力のあるバンドたちを引き上げようとし始めたことは間違いなくいい兆しです
まだこれは種まきに過ぎないとは思いますが、このチャンスをモノにしたバンドが出てくることもそうですし、このシーンの流れに乗っかった新たなバンドが陽の光を浴びるようになるのではないかと、2025年のラウドロック、ヘヴィミュージックシーンが今から楽しみです
各種フェスの開催と盛り上がり
2023年はLOUD PARKにKNOTFEST、NEX_FESTなど近年稀に見るフェス豊作の年でしたが、それを思うと2024年は少し寂しい年ではありました
PUNK SPRINGは開催されたのにLOUD PARKもDOWNLOAD FESTIVAL JAPANも開催されなかったのは個人的にもショックでした
そんな2024年に大きく注目されたのはBABYMETAL主催ということで話題になったFOX_FESTですね
2023年のNEX_FESTに続く次世代メタル系フェスとしての期待も高く、ELECTRIC CALLBOYのような世界的に大きく人気を伸ばしているバンドの出演もあり盛り上がったことには間違いありません
ただ個人的には2日間とも出演者が同じだったことや、フードなどのライブ以外のフェスとしての要素が物足りなくも感じました、なんというかフェスというよりもアリーナ規模の対バンイベントライブといった印象でしたね
また悪い意味で話題になってしまったのは「お台場にハードロックファン20000人集結」のキャッチコピーが虚しく響いたCRASH CRISISですね
LOUDNESSやANTHEMなどの往年のメタルバンドとNEMOPHILAやCRYSTAL LAKEといった現代の最前線バンドの入り混じった並びは決して悪くはなかったと思うのですが、そもそも開催を知らなかった声も多くプロモーションの甘さやファン層になじまない真夏の野外といったシチュエーションなど悪材料も多く、会場規模に対しての動員の少なさにメタルシーンの惨状が晒されました
ただCRASH CRISISはさすがに会場選定から宣伝の方法までもう少しやり方があったかとは思うので、これだけでヘヴィミュージックシーンの現状を判断したくはないなとも正直感じています
その他、年末にはFACTの復活もありREDLINEが大きな盛り上がりを観せていますが、このイベント自体が集大成的なものでありどちらかというと一つの時代の終わりを感じさせられます
一方でこれから規模を拡大させていくことが期待される、ライブハウス規模のフェスイベントはたしかな盛り上がりを感じられました
Sable Hills主催のFRONTLINE FESTIVALを筆頭に、
DEXCOREのDEXFEST、
DEVILOOFのDEVIFEST、
JILUKA主催のMAD PIT FESというV系メタルDxDxJの3バンドの主催フェスも開催されチケットがソールドアウトしたものもあるなど、来年以降も期待がもてます
そして2024年で最も注目なのが音楽雑誌ヘドバンが主催したMIXED HELLですね
出演陣には海外公演も経験済の国内外から注目される独自のヘヴィミュージックを鳴らすバンドたちが名を連ねた、「日本でしか生まれ得ない、“超多種多様”な“現代メタル”の激突」を掲げたこのフェスは川崎CLUB CITTA’で開催されましたがチケットは早い段階でソールドアウト
コンセプト通りファン層もカオスなごちゃ混ぜイベントだったにも関わらず凄まじい盛り上がりを記録したこのイベントは今後の日本のシーンにおいて重要なものになっていきそうですし、次回開催もすでに明言されているので今後どのように成長していくか楽しみです
また余談ですが、雑誌ヘドバンは独自の視点で様々なメタルとその周辺のバンド・グループを取り上げてくれる非常に読み応えのある雑誌なので、MIXED HELLに出演したバンドのファンの方たちなどにはぜひ読んでみてほしいですね!
現在のラウドロック・ヘヴィミュージックシーンが過渡期であることは間違いないなかで、これからが楽しみな要素が多く存在することは間違いなく希望でしかなく2025年がどうなっていくかどうしても期待してしまいます
まずはCrossfaithの主催フェス、噂されるKNOTFESTの開催はどうなるのか、そしてPUNK SPRINGが2025年は東京・大阪での開催が発表されたことでLOUD PARK開催の機運が高まるなど、どれもこれも楽しみですね!
海外バンド来日公演大盛況
そして国内のシーンの盛り上がりと決して切り離せない来日公演についてです
2024年は非常に多くの来日公演が開催され、IRON MAIDENやJudas Priestのような超大御所から現行のヘヴィミュージックシーンの中心バンドやアンダーグラウンドのアーティストまで広く来日し、多くの人々が喜びながらもお財布との相談の末嬉しい悲鳴と何度も何度も涙を飲んだことだと思います
Turnstileの伝説的なフジロックでのステージは配信もあって非常に話題になりましたし、その後の東京大阪のヘッドライナー公演も大きく盛り上がりました
今や世界的なビッグバンドになったELECTRIC CALLBOYもFOX_FESTで改名後初の来日を果たし、その後年内に再来日のヘッドライナー公演を開催、3000人近いキャパシティの豊洲PITを平日ながら早々と埋めるなどその反響の大きさも記憶に新しいです
その他にもERRAやblessthefall、WE CAME AS ROMANSやNORTHLANEなどなど中堅どころのモダンメタルコアバンドの来日も挙げればキリがないほどで、これらもわたしが思っていた以上に大盛りあがりで東京だけでなく大阪や名古屋でもソールドアウトが出るほどでした
今までは海外のムーブメントに対してずれがあった国内シーンでしたが、その差が少しずつ小さくなってきているように感じられました
この盛り上がりは2025年でもまだまだ続いていきそうで、大御所では復活したLINKIN PARKの来日やZeppを売り切っているLORNA SHOREをはじめ、注目の来日公演がどんどん発表されていっています
来日公演がしっかりと盛り上がり、そこに国内のバンドがしっかりと混ざり合っていくようになればシーンはさらに広がっていくと思うのでここは大きく期待していきたいと思います!
まとめ
日本は激しい音楽がなかなか盛り上がらないと言われてたなかで、ラウドロックが一つの大きな時代を盛り上げたもののそれも時代の流れとともに下火になってきていましたが、2024年が終わりそうな現在、その空気がまた変わってきていることを間違いなく感じています
浮き沈みあるのも当然ですが、この勢いがさらに高まりシーンが拡大していって、それこそ本国のDOWNLOAD FESTIVALやWACKEN OPEN AIRのような世界的なビッグフェスが開催されるような未来をまだ信じても良いのかもなと思えます
2025年もこのシーンに注目していきたいと思います!
以上、2024年が国内ラウドロック・ヘヴィミュージックの転換期になるかでしたー!