2021年も気づけばすでに半年が過ぎました。
ということで恒例のお気に入りアルバムの紹介をしていきたいと思います。記事にするのがやたら遅いのも恒例……。
お気に入りアルバム国内盤
まずは国内盤から。今回は10枚紹介していきます。
SixTONES 「1st」
2021年の今年の初っ端からの大本命だったのがこのSixTONESの1stアルバムであるその名も1st。
個人的なジャニーズの音楽性って、なんというか幅広いジャンルをアイドルソングとしてまとめることにとにかく長けているなってのが自分の一番のイメージなんですけど、SixTONESに限ってはそことはまた別次元で。
幅広い音楽性をアイドルソングにまとめていないんですよね。アイドルっぽくせずに、それらのジャンルを高いレベルで自分たちのものに昇華しているというか。
一言にロックといってもエモだったりミクスチャーだったりからチルいポップスにダンスミュージックにボカロっぽさのある曲からもうなにもかもを飲み込んでいくような力強さは、最近のジャニーズグループからは感じられなかったギラギラしたイメージのメンバーとも確実にマッチしています。
海外進出もかなり狙っているようですし、日本だけでなく世界をSixTONESが席巻する日もそう遠くないなと思わせられます。
NEO JAPNOSIM 「THE SPIRIT」
近年ではラウドな音楽性を打ち出すグループも増えてきた地下アイドル界隈。ゴリゴリにスクリームをかますようなグループも多い中で、サウンドこそヘヴィだけどあくまでクリーン主体というのが個人的には評価できる部分で。
歌唱力の高さももちろんですがサウンドのクオリティも高くって、エモからニューコアあたりにカテゴライズされそうな先進性のある音楽性と。それぞれの歌唱法も個性があってメリハリもあります。
いやね、ヘヴィミュージックシーンの世界的な最先端に迫ろうという凄まじさですよホントに。いわゆるkawaiiメタル的でもなく日本的アイドルらしいガールズグループで挑もうというのが日本の音楽シーンのおもしろいところだと思うし、間違いない強みだと思います。
ジャニーズといい地下アイドルといい、スタンスは様々ながら世界に打ち出せそうなハイクオリティなものを作っていく姿勢はほんとに凄い。
BAND-MAID 「Unseen World」
退屈さすらも感じさせたミドルテンポの曲が目立っていた前作に比べて、今作は強烈な疾走感がアルバムの隅々まで行き渡ったアグレッションの高さがまず一番の魅力です。
中止になってしまったけど初の武道館公演を控えての今作がここまでメタリックに疾走した曲でまとめられているのは、広いアリーナで聴かせる曲なんかよりも激しい曲で攻めていこうって気合が満ちているようで素晴らしいなって思います。
そうなんですよね、今作はハードロックというよりもかなりメタル的な要素が強くてどことない芋っぽさもかなり薄れてきたかなーって。プレーも今まで以上にわかりやすく派手でかっこよく魅せてくれますよね。
もうホントに脂が乗ってるというか、完全に仕上がってる一枚ですね。正直今までのアルバムの中でも最高傑作でしょう。
the GazettE 「MASS」
ここ数作のガゼットはかなりラウド方面というか、ヘヴィでダークな方向に舵切りしている中での最新作。今作は比較的メジャー感が強いというか、ダークな雰囲気はやや抑えめ。
ニューコア的だったりロックシーンのトレンドを押さえつつしっかりとガゼットなりのヘヴィさを追求しているというか、最先端と普遍性を両立しているのがさすがですよね。
もともと色んな音楽性をごちゃまぜにしてそれをガゼットなりに仕上げるのは得意なところだったし、最近のトレンドはどちらかというと時代がガゼに追いついてきたかというところもあって。
the GazettEというバンドの成熟されっぷりがかなり極まってきているなって思い知らされますね。最後のLAST SONGがエモすぎてたまらない。
キズ 「仇」
次世代のV系バンド、キズのベスト盤。とはいっても、今までにアルバムリリースはなかったので初のフルレングス。
めちゃくちゃ気になっていたバンドだったんですけどシングルリリースばっかでサブスクもほとんどなかったのでYou Tubeで聴いてるくらいだったので今回のベスト盤リリースは本当に嬉しかったですね。
そして肝心の内容はというと、これがまた凄くいい出来で。近年のV系ラウドなんかはかなり本格的で、それこそ海外のバンドだったりと比べても遜色ないレベルだと思うんですけどもそことはベクトルがちがうというか。
ヘヴィさはあるもののそこを追求しているわけではなくある種でV系的というか、和風な雰囲気やどこかホラーというか怖い話的な世界観だったり重視している部分は間違いなく違っていて。
かといって時折モダンな刻みがあったりとトレンドを完全に無視しているということもなく、うまくミーハーにならない程度に取り入れてる感じです。
シャウトをほとんどしないのも逆に近年のシーンでは差別化されていていいですよね。
バンドのスタンス的なものはわからないですけど、ベスト盤としてではなくって一枚のアルバムとしてしっかりと作り込んだものを聴いてみたいなって思わせるくらいに一曲一曲のクオリティが高くて良かったです。
NUL. 「TRIBRID ARCHIVE」
自分にとってのD’espairsRayって完全に青春ど真ん中で、そのディスパが活動を終えた理由もHIZUMIさんの喉の状態だったわけですから新プロジェクトとはいえこれはもう本当にまさかの復活で。
楽曲としてはある意味では安心感もあるというか、ゴシック・インダストリアル要素の強いデジタリックなサウンドはあの頃のディスパが好きだった自分にはすんなり受け入れられました。
ややディスパに比べるとダンサブルというか、このあたりは近年のEDMとかの影響もあるのあかんーと。でも違和感があるようなものでもなく、しっかりとサウンド的に落とし込まれていますね。
スクリームに関してはやはり喉の状態からなのかかなり控えめ。とはいえクリーンの艶やかさは健在なので特段マイナスに感じることもなく。いやホントにこれで喉の状態悪いのってマジ???って思っちゃいます。
海外含めたトレンドとしてこのあたりのサウンドへの回帰も見られるなかでもはや本領発揮というか、広い層に届けばまだまだ一花も二花も咲かせられそうな満足な出来の一枚です。
w.o.d. 「LIFE IS TOO LONG」
めちゃくちゃ化けたなーって思わせられた今作。今まではそんなに気になるバンドってわけでもなかったんですけどぶっ刺さりました。
グランジテイストな無骨なサウンドは変わらずながら単純にクオリティが上がったなというところと、やっぱりこの男臭さがいいんですよね。
世代的にグランジを通ってない自分にとってこの手のサウンドで彷彿させられるのって初期のTHE BACK HORNなんですけど、そこまでの毒性はなくってメジャー感あるのも魅力の一つです。
シンプルにロックのかっこよさが詰まった一枚ですね、なかなか今の邦ロックシーンにはない力強さがみなぎっています。
go!go!vanillas 「PANDORA」
少しバニラズの印象が変わったかなって思わせられた今作。なんというか今までってほどよい泥臭さがどことなく残っていてそこは間違いなく一つの魅力だったんですけど。
今作ではそのあたりがかなり洗練されてきたというか、音楽性が広がったのは次のステージに踏み出してる感ありますよね。
バニラズらしいカントリー調のロックナンバーは控えめに、ポップな曲だったり逆にハードなナンバーだったり。どれもクオリティが高いので安心して聴けます。
音楽性が広がったからといってバニラズの魅力が損なわれたわけでもなくって、例えばボーカルワークの多彩さだったりは本当にバニラズの強い武器で健在ですね。
なんというかこの作品一枚でどうこうってよりも、この先が楽しみになるような作品だなーって思います。
Crowsalive 「DREAMARED」
このバンドは本当に進化が止まらないなーって毎回思わせられます。
BIRTHは割と電子音の印象が強かったですけど今作はバンドサウンドとの融合ぶりに磨きがかかっていて、ロックファンにもめちゃくちゃ刺さりそうな仕上がりになっています。
なんというか音がすごくいいんですよね、どの音も心地が良い。アトモスフェリックな電子音も、エモ的なバンドサウンドも、力強さと儚さの同居したようなボーカルも、すべての音が自然に耳から染み込んでくるというか。
めちゃくちゃ浸れるし、熱くもなれる。ネクストブレイクどころじゃなくってもうどこまで行くんだろうみたいな、そんな期待感しか感じさせられない一枚です。
Tempalay 「ゴーストアルバム」
結構早い段階からKing Gnuなんか並んで語られることも多かったTempalayですけど、なかなか跳ねなかったなって中で転換期になりそうな一枚がついに出てきましたね。
サイケデリックな雰囲気というか、そのあたりが持ち味なのは間違いないけどただなかなか一般受けはしないよなぁってところなんですけど、今作はそのあたりの持ち味を残しつつかなりポップに仕上がっていて格段に聴きやすくなりましたね。こういったバンドが外に開かれるようになったらすごく強いと思います。
なんというか、じっくり聴き込まなくっても自然と入り込んでくるんですよね、BGMとして日常に溶け込んでくるような盛り上げてくれるような。
とうとうコアな音楽ファンの手を離れるときがたんじゃないかって楽しみになる一枚です。
お気に入りアルバム海外盤
続いて海外盤です。海外作品も今回は相当にいい作品多かったので悩みましたね。
ERRA 「ERRA」
モダンプログレの代表格としてジャンルの一翼を担うバンドのセルフタイトル。
Djentを語る上でも名前が頻出するバンドですが、Djentもあくまで一要素に過ぎないというか正しくモダンプログレメタルコアを実践してるバンドだなって改めて思わせてくれる一枚です。
なんというかもうただただ自分たちが築いてきたものをただただハイレベルに打ち出してきていてもうさすがとしか言えない圧巻の出来ですね。
現代におけるエモさも技巧も攻撃性までもおよそメタルを構成するすべてを提示してくれるような、圧倒的な完成度。凄まじいという言葉しか出てこないです。
While She Sleeps 「SLEEPS SOCIETY」
言わずとしれたBMTHフォロワーとして、ある意味ではその次世代バンドとしても捉えられているようなWSSだけど、そこにとどまらないというかBMTHに食らいついてやろうという気概すら感じられるのがこのバンドの良さだなと思っていて。
トレンドに寄せたニューコア的なサウンドはしっかりと取り入れつつも泣きのギタープレイなどメタリックな要素も押さえているのは本当に間違いないなって思えるポイントで。
なんというかメタルから離れていくようでそれでもしっかりと捨てきらずにメタルを鳴らすのがすごく潔いなって。
結局はなんだかんだで自分たちのサウンドを確立できているのがWSSというバンドの凄さだと思うし評価されている所以なんだろうなとあらためて確信させてくれる一枚です。
Our Hollow,Our Home 「Burn In The Flood」
なんというか現代のメタルコアの完成形を見たような、そんな衝撃を受けたOHOHのこのアルバム。
オーセンティックなメタルを思わせるリフワークとあくまで主役にはなりすぎない程度なモダンな音像と。サウンドのバランスの良さが凄くいいですね。
そしてメロディラインもキャッチーでとても聴きやすい。実はメタルって聴きやすい音楽なんだよって、あらためて教えてもらっているようです。
全世代に渡ってもメタルコアの入門の一枚として勧められそうなくらい、多くの要素の揃ったマストな一枚だと思います。
Beartooth 「Below」
自分にとってもBeartoothのイメージってもう少しパンキッシュというかポップというか、なんというかここまでメタルな音を持ったバンドではなかったんですよね。
そんな中でこの作品はある意味では古典的に感じられるくらいにすごく王道なメタル。でも古臭くはないんですよね。これはボーカルスタイルとかメロディラインによるのかなと思います。
ズドンとブレイクダウンで落とすだけのバンドたちと比べてただヘヴィというよりも、本当に音の分厚さが素晴らしい。
どこかアメリカン・ロックな雰囲気の軽快さもあって、通して気持ちよく聴けちゃいますしホントに飽きがこないです。延々と聴いてられちゃいます。
Brand Of Sacrifice 「Lifeblood」
個人的に典型的なデスコアってなんというか単調で飽きがきちゃうので、最近のなんでもやってみようって感じのデスコアは割と好みではあるんですよね。
そんななかでBOSもテクデス的だったりブラックメタル的だったりホラーテイストだったりと、デスコアに色んな要素を乗っけてくれてるので曲の幅があって楽しく聴けます。それでいてデスコアの枠から離れすぎないのもいいところですよね。
モッシーに暴れられるってだけじゃなくって曲自体がドラマティックで聴き応えがあるので、個人的なデスコア作品の中でもかなり好みな部類ですね。
2021年上期総括
2021年もまたいくつもフェスが中止になったりで、なかなか現場で新しい音楽と出会うということがまだまだできない状況が続いています。
おうちでシコシコとサブスクディグったりするのもいいんですけど、やっぱり生で音楽を感じて出会うのはまた格別なんですよね。
ちょっとライブに個人的に足が遠のいているところもあるので、これからもっとフェスとかいろんなライブを開催してわたしを現場に引き出してほしいですね。
2021年後半もまだまだ色んな音楽を出会いたいなって思います。よく聴いてよく楽しんでいきたいですね。
以上、2021年上期のお気に入りのアルバム15選を紹介します!でしたー。それではまたー。